HP Inc.は、Arkema社と共同開発した新しい樹脂材料「HP 3D High Reusability PA 12 S (以下PA12 S)」をこの度発表しました。本材料では、従来のEvonik 社と共同開発したHP 3D High Reusability PA12(以下PA12)と比べて表面仕上げの品質が大幅に向上し、コストパフォーマンスの向上も可能になります。
本記事ではPA12 Sの特長をご紹介いたします。
PA12 Sの特長
表面仕上げの品質向上: PA12 Sは粒子サイズが均一で独自の形状を持つため、後処理なしでも滑らかな表面を実現します。これにより、従来のPA12に比べて表面粗さが約70%改善されます。
コスト削減: PA12 Sは、最大85%のパウダー再利用率を誇り(従来のPA12は80%)部品あたりの生産コストを削減します。HPJet Fusion 5200シリーズおよび5600シリーズの3Dプリンティングソリューションと組み合わせることで、生産プロセスが最適化され、時間とコストを節約します。(※2024年6月末現在、5600シリーズでの本材料の使用はまだ実装されておりません。最新情報はお問い合わせください。)
環境への配慮: PA12 Sは、パウダー再利用率の高さから廃棄物を最小限に抑えることが可能です。これにより、持続可能な生産が実現され、環境負荷の軽減に貢献します。
機械的および寸法的特性
PA12 Sは、従来のPA12と同様の寸法精度を持ちながら、以下のような機械的特性を持っています:
引張強さ: 平均XY方向で45 MPa、平均Z方向で43 MPa
引張弾性率: 1700 MPa
降伏点伸び: 10%
破断伸び: 平均XY方向で12%、平均Z方向で6%
衝撃強さ: 平均XY方向で3.2 kJ/m²、平均Z方向で2.5 kJ/m²
密度: 0.98 g/cm³
後処理のオプション
PA12 Sは、従来のPA12と同様のデパウダリング性能を持ち、サンドブラスト処理やDyeMansion社が提供するPolyShot Surfacing(表面処理)、DeepDye Coloring(染色)などの後処理オプションに適しています。後処理により、より優れた外観とツヤを得ることができます。
PA12 Sは、表面仕上げの品質向上、コスト削減、環境負荷の軽減を実現し、多様な産業での活用が期待されています。
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Yokoito Additive Manufacturing
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