top of page
yokoito-sales

【Formlabs】Fuse 1+の特徴と導入ポイント:設置環境から初期準備まで徹底解説



はじめに

本ブログではFormlabs社が出す、SLS方式3Dプリンター「Fuse 1+」を導入する際に押さえておきたいポイントについて解説します。


設置環境や運用に必要な初期準備について網羅しています。

SLS技術に興味がある方や、Fuse 1+の導入を検討されている方、ぜひご参考ください。




SLS(Selective Laser Sintering)方式とは?

SLS方式は、粉末状の材料をレーザーで焼結(固める)することで、層ごとに立体物を造形していくプロセスです。

この技術の最大の特徴は、サポート材が不要であることです。粉末がそのまま造形物を支える役割を果たすため、複雑で自由度の高い形状でも効率的に造形できます。

また、材料の無駄が少なく、未使用の粉末はリサイクルして再利用できるため非常に経済的です。


Formlabsが開発した、Fuse 1+は、このSLS技術をコンパクトかつコストパフォーマンスの高い形で提供し、プロトタイピングや小ロットの最終製品製造を迅速に行えるプリンターとして注目されています。

従来のSLS方式3Dプリンターと比べて操作が簡単で、少人数での運用も可能なため、リソースが限られた企業やスタートアップでも導入しやすいのが特徴です。




どんな業種・プロジェクトに適しているのか?

Fuse 1+は、以下のような業種やプロジェクトに適しています。


・エンジニアリング・設計:高度な設計の部品や製品を迅速に試作・製造する場面に置いてFuse 1+はその制度と柔軟性を最大限に発揮します

・機能的なプロトタイピング:SLS技術を使用して高精度の試作品を迅速に制作し、反復的な設計改良に対応します。

・最終製品の製造:耐久性や耐候性が要求される機械部品や、特注のカスタム製品など、小ロット生産の最終製品にも対応可能です。


Fuse 1+は設計の自由度、コスト効率、そして迅速な製品開発を実現する強力なツールと言えるでしょう。




初期導入に必要なパッケージ

早速、初期導入の際に必要なパッケージについてご紹介します。


Fuse 1+を運用するために必要なパッケージ

・Fuse 1+本体

3Dプリンター本体


・プリントスタンド

Fuse 1+本体を設置するための専用スタンドで最適な高さと安定性、そしてプリンター本体の熱を逃す役割を持っています。


・ビルドチャンバー

ビルドチャンバーは、造形の過程でパウダーが焼結されていく場所です。Fuse 1+専用のビルドチャンバーは取り外し可能で、プリント終了後のパウダー回収やメンテナンスが容易に行えます。複数のビルドチャンバーを用意することで、連続的なプリント作業も可能です。


・Fuse Sift本体

Fuse Siftは、プリントごのパウダー回収とリサイクルを効率的に行うための後処理装置です。使い終わったパウダーを簡単に回収し、再利用可能な状態に処理することで、無駄を最小限に抑えます。また、清潔かつ安全にパウダーを扱える設計になっており、作業環境の向上にも寄与します。


・パウダーカートリッジ

パウダーカートリッジは、Fuse 1+にパウダー材料を供給するための専用カートリッジです。Fuse Sift内でリサイクルパウダーと新しいパウダーを混ぜ合わせる際にも使用され、そのままFuse 1+に設置すればFuse 1+への材料供給できる仕様になっています。


・バキューム

バキュームはFuse 1+とFuse Siftのクリーニング作業や造形物のパウダー除去をサポートする専用の掃除機です。作業場を清潔に保ち、安全な運用環境を実現します。


・パウダー材料

FormlabsからはFuse 1+で使用する高品質な粉末素材が提供されています。ナイロンなどの強度や耐久性に優れた素材をラインナップしており、プロトタイピングから最終製品まで様々な用途に対応します。また、SLS方式の特性を生かし、高いリサイクル率で経済的な運用が可能です。

現在展開中の材料(2024/9/19現在):Nylon 12、Nylon 11、ポリプロピレン、TPU 90A、Nylon 11 CF、Nylon 12 GF

※材料によってはFuse 1+に窒素充填が必要になるものもあります







表面品質を高めたい方にあると便利

・Fuse Blast本体

Fuse Blastは、Fuse 1+で造形されたパーツを後処理するためのサンドブラスターです。造形後のパーツ表面から余分なパウダーを除去し、滑らかな仕上がりを実現します。Fuse Blastは圧縮空気を利用して微細なパウダーを効率的に吹き飛ばすことで、手作業では難しい細部まで綺麗に仕上げることができ、製品の品質を高めます。使いやすい操作パネルと安全な作業環境を提供する設計が特徴です。


・Fuse Blast Polishing Module

Fuse Blast Polishing Moduleは、Fuse Blastに追加して使用することで、パーツの表面をさらに滑らかに磨き上げるモジュールです。サンドブラストによる粗処理のあとに、ポリッシングモジュールで精密な仕上げを施すことで、見た目や手触りが向上し、製品の質感を高めます。高い精度で一貫した仕上がりを実現し、最終製品としての美観や機能性をさらに向上させることができます。





導入前に気をつけるポイント

ここでは実際に導入をしたい場合、どのようなことに気をつければいいのかをまとめます。


・設置スペースの確認

Fuse 1+はSLS方式3Dプリンターであり、そのサイズは比較的大きめです。また、Fuse 1+だけでなく、パウダー回収が可能なFuse Siftなどを考慮するとより広い環境が必要になります。

また、作業効率も考慮し、周辺に十分なスペースを確保しつつ、作業者が安全にプリンターを操作できるような配置を心がけることが重要です。


・通気性や環境管理

SLS方式3Dプリンターは、材料をレーザーで焼結する過程で熱を発生させるため、温度管理や湿度管理が適切であることが重要です。特に高温・高湿の環境では、粉末の品質や造形の精度に影響を与える可能性があるため、エアコンや湿度調整機器の設置を検討しましょう。


必要要件:エアコン(ほぼ必須)、換気扇、空気清浄機(あれば安心)


・電源要件

設置場所に適切な電力が供給されるよう、事前に配線やコンセントの設置を確認することが大切です。また、プリンターとその他の周辺機器が同時に稼働する場合、過負荷を避けるために電源容量の見直しや専用回線の設置を検討しましょう。


電源:Fuse 1+とFuse Siftにアース付き三又コンセントがそれぞれ必要です(※1専用回路) 

※分電盤の主ブレーカー以外のブレーカー1個につき1機体それぞれ1500W消費します。






このように、Fuse 1+を導入する際は、環境や電力、様々な要素を事前に検討、確認することが重要です。



最後に


Fuse 1+の導入は、単なる技術的なアップグレードにとどまらず、全体の生産効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。

SLS方式による高速かつ高精度な造形は、製品の試作から小ロットの最終製品生産まで迅速に行えるため、プロジェクトのリードタイムを短縮し、開発サイクルを加速します。

また、パウダーリサイクルによるコスト削減や複雑な形状の造形に対応する柔軟性により、これまで対応できなかった新たな市場や顧客層へのアプローチが可能になります。


Fuse 1+の導入や運用に関する詳細な情報や、実際にデモを体験してみたい方は、ぜひご相談ください。

毎日Fuse 1+を運用している専門スタッフが導入に向けたアドバイスや運用サポートを提供し、最適なソリューションを提案します。


さらに、YAMでは受託サービスも併せて提供しております。導入前にFuse 1+を試してみたいという方は、ぜひ受託サービスをご利用ください。





閲覧数:4回0件のコメント

Comments


bottom of page